生きゃんちを見た@アニメ・マンガ文化の10年 シンポジウム

アニメ・マンガ文化の10年 シンポジウムin 明大
http://meiseikai.hp.infoseek.co.jp/event/detail.html
行ってきました。誘われまして。


内容は非常に濃くて面白かったと思います。最初の森川先生が最高。予想外の収穫でした。
パネリストが谷口悟朗上田耕行・氷川竜介・喜屋武ちあきだったのでアニメ業界の話ばかりだけど。
マンガはほぼ0かな…最初の森川先生の話で少しジャンプなどの話に触れられたぐらいで。米沢さんの同人誌図書館についても触れられなかったしねぇ。


きゃんちは…このメンバーだと浮いてるよね。まぁそれはいいんだけど途中で他の仕事だからーと帰った(15時45分頃)のはどうなの?
きゃんちがいなくなった途端帰るファンも数人いたし。失礼ながらきゃんちオタが存在することにも驚いたけどね。でも他のパネリストがどう思ったのかっていうね。
教室だし普通に途中退室する人なんて壇上からも分かるわけで。彼らにかなり失礼では?大物ばかりなのに。


でもきゃんちが去ったお陰で?それ以降谷口さんとか暴走してたかもw
逆に氷川さんはほとんど話さなかったなぁ。評論家だし仕方ないのかも


興味深い話だと

  • ガンダムSEEDコードギアスのDVD購買層は男性中心。逆に1000円以下のグッズだと女性中心。最遊記でも実は視聴者は男性が多かった。ニュータイプはSEED特集などで20%売上が増えたがその増えた部分はほぼ女性
  • 脚本家だけは1.75%印税が発生する。他のスタッフはどんな立場でも印税なんてない。しかし脚本でも原作つき・オリジナル作品だろうと同じで1.75%は固定なのは問題あるとは思う。
  • 谷口さんは3年前までクレジットカードが持てなかった。
  • 昔はアニメ業界はゆるかったので例えばアフレコスタジオ大手のタバックでも台本を誰でも持っていけるような状況なことも。変わったのはゲーム業界やパチンコ業界などがそういったことにうるさいため
  • 谷口さんは2ちゃん黎明期には少し覗いたこともある。でもスタッフ叩きなどは明らかに内情を知ってる同じアニメーターが書いていた。それこそ隣の席のやつかもしれないという疑心暗鬼に皆が陥り危険だったのでやめた。実際2ちゃんに潰されたスタッフもいる。逆にネットでリアルタイムで感想が分かるため要望に応えてしまいそういった層にうける作品を作ってしまう人も。実際には声の大きい人たちとは違う層だって多いのに。
  • 谷口「舞-HiME放映開始前にバレ情報をブログに載せるスタッフがいて揉めた。上に呼び出されてそのスタッフをクビにするかと」
  • アニメのデジタル化の流れに対応出来ず辞めたアニメーターも。現在セル画でやってるのはサザエさんのみ。スタッフの雇用維持という面もある。
  • BDは現状DVDに比較して儲からない。DVDは既にかなりコストダウンしているから。売上比率もアニメではBDのほうがDVDより多いことも増えたけれども、映画など一般向けタイトルでは今でもBDはDVD売上の1割以下。マニアしか買っていないという時点でLDのような感じ。いずれはネット配信中心になるのでは(確か上田さん談)
  • 基本はHDのほうがいいもののあえてDVDのほうがいいというタイトルもある。その例がハチクロ。「ハチクロフィルター」と呼ばれる少し淡いぼやけた演出があるのでDVDに合わせてある。
  • 京アニは真面目な会社だからこそ忠実でウケている
  • 作画で影をつけるとオタクにはウケるけれど子供は怖がる
  • 谷口「監督はアニメが描ける人なら絵でスタッフに説明することが出来る。でも出来ない自分は説明が難しいため苦労する」
  • アニメーターもバランス良く出来る人より何かに突出した人のほうが出世する可能性高い。野球選手みたいなもの(長打力があるとか)
  • 上田「サマーウォーズのヒットは業界的に嬉しい。どうしても既出の路線でないと企画通らなかったりとオリジナルでの挑戦は難しいので(意訳)」
  • 上田・谷口「自分はオタクではない。馬鹿にしてるわけではなくて倉田英之黒田洋介といったツワモノが身近にいるので負けてるから」

同じ作品のDVDを20枚購入して布教用として配ったり・各部屋でいつでも観られるようにとリビング用、寝室用などに置いてる倉田さんはかなり凄いという話に。

  • アニメの本数が多すぎて一部声優も自分の出演作品すらチェック出来ずにいる。時間がない
  • 舞-HiMをやる時は美少女ものは皆初めてだったので本などを集めて必死に勉強した。萌え好きのスタッフに聞いたり。それで吉野さんとかはなんか目覚めてしまったw
  • 電脳コイルはいい作品だけど磯さん(磯光雄)は一人で出来てしまうタイプなので下のスタッフはきつかった
  • 1話あたりの作画枚数で1万枚は予算的に基本ありえない。Fate山口祐司監督は「祐司4500(いつも4500枚使うから)」と呼ばれていていつの間にか「祐司8000」になっていたw でも1万枚超える前にやはり辞めてしまったw
  • (近年の萌えアニメの多さについて)

谷口「シスプリの頃アニメ辞めようかと黒田洋介と相談した」
上田「自分はとらドラとかも現代に合った恋愛ものなんだろうという認識で抵抗ない」
谷口「ハルヒらきすたけいおんあたりも嫌いではないが、プラネテスのような作品はアニメ雑誌で取り上げられずそれらの影響を受けたスタッフが業界に入ってきて将来が不安。手描きのロボが減ったのはそのせい」

  • 谷口「アニメを作る時に売上なんて全く考えていない。面白いものを作りたいとかも考えない。売上良くてもギャラは増えないしスタッフの8割は自己満足のためにやっている」
  • 小さい制作会社はお金がないので放送が決まってからの制作になるため放送開始3ヶ月前に決まってから慌ててスタッフをかき集めている。しかし大手は決定前から作り始めている。

えーとシンポジウム自体のレポはちょっと特定されそうなので控えますww
他にも色々ネタはあるんだけど…ここには書けないレベルなので。まぁ気になる人は個人的に聞いてもらえれば。